「ちょっとクラゲ、ばーちゃんの部屋から仏壇下げてきてー」
仏壇?
この、か細いわたしが、どうやって仏壇を2階から1階までせっせと運べばいいのだ?
仏壇業者じゃないぞ。
緊急事態でもないのに、
火事場の馬鹿力をここで発揮しろと?
8月15日、19時のことだった。
相変わらずの、母の言葉足らず感。
こんなことは日常茶飯事だ。
わたしは英才教育で磨き上げられた、柔軟性と想像力をフル稼働した。
きっと母は、
仏壇のお供物を下げてこい
と言ってるのだな。
階段を上り、
ばーちゃんの部屋に行く。
カゴには、盛りだくさんの果物が。
うん、これは合ってる。
梨、うまそうだな。
バカでかい箱には、もち吉のあられが。
うん、これは好物のやつ。
ザラメあられ、争奪戦になりそうだな。
大量のまんじゅうの箱が。
うん、ここはしあわせゾーン。
わたしを満たしてくれるやつだな。
こしあんを願う。
そして、目線を上げると、
そこには、見たことのない光景があった。
スライムが3匹いる。
……
仏壇に、スライム?
しかも、本来ならご飯が添えられるはずの金の入れ物に、
ちょこん。
と鎮座している。
なぜに?
伝統的な仏壇に、
近代キャラを融合させた?
青、オレンジ、紫のスライムが、無邪気な目でこちらを見てくる。
まんざらでもない様子だ。
わたしは震える手で、なんとかお供物とスライムたちを確保し、台所へ戻った。
「このスライム、どうしたの?」
「かわいいでしょ、この子たち。あ、スライムっていうんだ。」
いやいや。
ネーミングはどうでもいい。
「なんで、ご飯じゃなくてスライムお供えしてるの?」
母は言った。
「ちょうどサイズがピッタリだったから。」
……
たしかに。
金の入れ物に、すっぽりおさまっている。
「お盆の最後ぐらいは、いいかなと思って。」
まー確かに。
ご先祖様たちも、毎日白米ばかりだったら飽きるだろうに。
……
いやいやいや。
母の狂った脳みそに、洗脳されてはいかん。
せめて娘くらいは正気でなければ。
じゃないと、神島家は守られないんだ。
その日のおやつは、スライム。
色鮮やかな、ういろう。
着色ガンガン。
フルーツ味。
母は、フルーツが食べられない。
だから、見た目だけで満足したらしい。
スライム3匹を、しあわせそうに撮る。
相変わらず、手ブレ全開。
でも、気にしない母。
おいしく食べた。
ご先祖様たちを見送ったあと、
スライムたちは私の腹の中へ旅立った。
そして私は早速、
「神島画伯、本日の一枚。」
に反映させてもらった。
↓
(ドーーン)
母よ。
いつもネタを提供してくれてありがとう。
さっき私は、
「せめて娘くらいは正気でなければ、神島家は守られない」
と思っていた。
……
その娘は今、
スライム仏壇の絵を描いて、世界に発信している。
……
ご先祖様。
そもそも神島家に、まともな人間はいないのでしょうか。
来世に期待します。
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白米の代わりにスライム🍚
もう、、、、
ドッカーンと大爆笑でございます😂😂
笑いのでっかい花火上がったwwww
この母にしてこの子あり。素敵な親子ですね💕
お盆の一コマで伝え・聞き間違えとかのお話かと思ったら
まさかのスライムで、孫ちゃんたちとかではなくお母さまだったというほっこりなお話ににまにましちゃいました🤭
我が家から2歳娘のいたずらかと思います😂